損害賠償請求事件

最高裁判所 第三小法廷/平成元年3月28日/昭和63(オ)591/棄却

ひとことで言うと

消防署職員の消火活動が不十分で残り火が再燃した火災について、最高裁は失火責任法が適用され、当該職員に重大な過失がない限り損害賠償責任を認めないと判断した。上告を棄却した。

判決のポイント

公務員(消防署職員)による失火でも失火責任法第1条が適用され、損害賠償責任は『重大な過失』がある場合に限定される。本件では第一次出火の消火活動に重大な過失がないと認定されたため、地方公共団体の賠償責任は否定された。

個別意見

裁判官伊藤正己は結論には同意しつつも、理由付けに異議を述べた。消防士が火災消火活動に出動した場合の消火活動の不十分さは失火責任法でいう『失火』に該当しないため、同法は適用されないべきと主張し、判例の変更を求めた。失火責任法の立法趣旨(素人の過失への配慮)は専門家である消防士には妥当しないとの論拠。

個別意見を述べた裁判官

判決全文(PDF)裁判所の判例ページ

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