原発賠償訴訟(国の規制権限不行使)

2022年6月17日 最高裁判所 第二小法廷 令和3(受)342 / 三浦 守判事の反対意見

ひとことで言うと

津波による福島原発事故をめぐり、国の規制権限不行使に国家賠償責任はないとした多数意見に対して、三浦判事は単独で反対した。検察官出身の三浦判事が被害者側を支持するという構図が注目を集めた。

事件の背景

2011年東日本大震災による福島第一原発事故。避難を余儀なくされた住民らが「国は津波の危険性を予見できたのに規制権限を行使しなかった」として国に損害賠償を求めた。

多数意見(裁判所の判断)

多数意見(3名)は「仮に規制権限を行使して防潮堤を造っていたとしても、実際の津波規模が試算を大幅に超えていたため事故は防げなかった(結果回避可能性なし)」として国の賠償責任を否定した。

三浦 守判事の反対意見

三浦判事は、津波の予見可能性と回避可能性を詳細に検討し、国が適切な規制権限を行使すれば事故を防げた可能性があると判断。「津波高の試算の合理性」「防潮堤以外の対策の可能性」などを丁寧に論じ、国の責任を認めるべきと主張した。

この判断の意義

最高裁が同日に4件の原発賠償訴訟を判決し、いずれも国の責任を否定した中で、三浦判事の反対意見だけが国の責任を認めた。法曹界では「珠玉の意見」と評価する声もあった。

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